株式会社JEXS
 ◆今の時代の人事担当に求められる適性・能力とは

実質的な超売り手市場である昨今における人事(採用)担当者に求められる適性や能力とは何か。
今回は、このテーマについて考えてみよう。


超売り手市場における最重要課題

結論から述べると、超売り手市場下においてはいかに有能人材の首を縦に振らせることができるかということが最重要課題となる。
当コラム19にて論じたように、2014年卒の実質的な有効求人倍率は約3倍である。
これは、欲しいと思った人材には平均的に3社から内定が出ていることを意味し、特に10社以上の企業から内定を貰う就活セレブと形容される優秀な人材を射止めることは至難の業ということをも意味する。

このような状況で採用ができるか否かは、従来型のいわゆる『選考』という行為のみに奔走しているようでは全くもって不十分である。
選考と同時に自社に対しての志望意欲を高める『営業』行為が必要となってくるのである。


学生の意識調査より

右図は、株式会社マイナビが例年実施している内定を得た学生に対する入社予定の企業を決めたポイントに関する調査である。

1位の『志望業界だから』、3位の『志望企業だから』というものは絶対的な理由になるので太刀打ちし難いものがあるが、赤い棒グラフの『社風が良さそう』、『自分を高く評価してくれた』、『人事の印象が良い』については、完全に人事担当の手腕によるものである。
また、青い棒グラフの『仕事が面白そう』、『社会貢献度が高い』についても、会社説明会等の内容次第なので人事担当者の手腕によるところが大きい。

この結果に関しては、絶対的な理由以外は人事担当者の手腕によって大きく成果が異なってくるということを意味している。
逆に、人事担当者の手腕が低い場合、例えば、人事の印象が悪いという感想を学生が抱いてしまった場合、『この企業ダメだ』という風に思われる確率が高くなる。そうすると、複数の内定を貰っている優秀な学生からの辞退率も相当高くなることは必然的なのだ。

つまり、会社説明会や選考会で学生に接するにあたり、いかに良い会社・いい人たちと思わせることができるかがキーポイントになり、そのことを客観視すると、まさしく営業行為ということが言えるのである。

【図】入社予定の企業を決めたポイント(複数回答可)
  マイナビ調査

人事担当者に求められる能力要件

今の時代の人事担当者は、有能な人材の志望意欲を醸成させるスポークスマンでなければならないのである。即ち、多くのファンを作ることのできる営業的な適性を有していなければ務まらない職務なのである。
人事担当者といえば、元来事務方であり官僚的なイメージが強い職業であるが、もはや営業適性に欠ける者は使えない時代を迎えているのだ。

【1st】 プレゼンテーション行為
対人特性系能力が重要な要素となってくる。
【2nd】 選考する意味での面接行為
意思決定系の要点把握力、分析力、解決力は必須となり、更に、相手の気持ちを瞬時に察知する上で、対人特性系の多くの能力が必要となる。
【3rd】 得心させ入社意欲を醸成させる行為
相手に頼りになるという印象をもたれなければならない。会社としては回答に窮する内容の質疑に対しても堂々と応答できる(逃げずに責任を持って対峙する)精神的タフネスさが要求される。

クラスター 意思決定系能力 対人特性系能力 個人特性系能力
ディメンション 要点把握力 分析力 解決力 決断力 計画組織力 管理統制力 影響力 説得・対話力 柔軟性 対人感受性 コミュニケーション力 第一印象 率先性 能動性 ストレス耐性 自立一貫性
1st
2nd
3rd

従来の人事担当には【1st】【2nd】の能力要件が求められていたが、現在は【3rd】の要件を満たせるハイパフォーマー人材でないと有能な人事担当者とはいえないのである。


人事担当者以上の有能人材は採用が難しい

学生の志望動機は、基本的に業種・業態、職種がベースとなるのだが、最終的には『人』である。
特に、学生は人事担当者と接する時間が一番長いので、人事担当者を通して会社の良し悪しを判断する傾向が強い。
したがって、人事担当者に魅力があれば、根底のベースを大きく崩すことも難しくない。一方、人事担当者に魅力がなければ、逆の現象が起きるのである。

学生もそのあたりは敏感で、自分より能力的に低い人事担当者はすぐに見透かされ、『この人面白くないな~』とか『馬鹿じゃないか~』『気が利かないな~』『頼りない~』と感じながら、心情的には一歩引いたところで選考に臨む。
しかし、『この人凄い!』と思える人事担当者のいる企業には尊厳さすら感じて接するようになる。

つまりは、人事担当者以上に有能な学生を採用するということは困難至極、総合的に能力の高い者を人事担当に据えなければいい人材の確保は難しいのである。

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