株式会社JEXS
 ◆採用面接手法-情緒安定度確認面談
    Emotional Stability Confirming Interviewing

JEXSでは、人材アセスメントを過去10年以上実施してきた。

受講者した人も数千人に及ぶ。それらのデータを分析し、何がキーになるのか分析したところ、意思決定能力、特に飲み込みの良さ、コミュニケーション能力ということになった。しかし、それらは表層的なものであり、紙ベースの演習で比較的高い能力を発揮できても、集団的場面や対人的場面では並み以下のパフォーマンスしか発揮できないケースがかなりあることが明らかになっている。こうした場合、会社側の評価は高いのに、JEXSの評価は非常に低いものになってしまう。また、アセスメントで評価の低い人材は異動すると、活躍できない可能性が高い。また、社外からの評価も低いことが多い。そして、その差は、ストレス耐性と感受性にあることも明らかになっている。ここでは、ストレス耐性を重視した面接を取り上げたい。

ストレス耐性とは、圧迫や葛藤などから生じるプレッシャーに動じることなく、安定した能力を維持していく特性のことをいう。打たれ強さ、立ち直りのよさ、と言ってもいい。また、日常では、不安、心配、懸念、動揺などが少なく、自信を持って落ち着いた態度で職務行動を取れる状態を意味している。

かつては入社後の訓練や職務経験など鍛錬されるので、入社試験で重視する必要はないと考えられることもあったし、その逆で、ストレス耐性/度胸さえあれば、その他の能力は入社してから鍛えてもいいと考える会社もあった。

近年では、メンタルヘルスの問題が生じてきていることもあり、情緒安定性を重視する方向にある。

具体的な手法の1つには、圧迫面接がある。これは、問題になるケースもあるが、商社などで採用されている手法では、なぜですか、という質問をえんえんと繰り返す。1人の相手が終わると、次の相手が出てきてそれを繰り返す。単純だが、割とよく使われている。また損保の某社では、被面接者を部屋の真ん中に座らせ、数人が背後から脅すという方法が採られている。こうした面談でおとされると、後味が悪い。いい方法を考えないといけないだろう。

他の手法を併用し、学生時代に動揺、不安、心配になった出来事などを詳しく書かせ、その辺を掘り下げていくことも1つの方法である。

なお、ストレス耐性は感受性と逆相関の傾向がある。双方をバランスよく兼ね備え、強い精神力と共感性を持った人材を採用することが大事で、感受性の欠けた鈍感な人材を採用しても、ビジネスは成功しないと考えられる。

コラムではJEXSで指導してきた面接の技法を紹介してきたが、このほかにもたくさんの方法があり、また自社の選考ターゲットを考えつつ、自社なりのデザインを考え、そして専門家の協力を得てトレーニングを行なうことが必要である。

少数選抜の時代、単に有名大を出たというだけでは活躍は期待できないわけで、絞り込みの基準が検討され、面接官に共有化されなくてはいけない。

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