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 ◆採用面接手法-期待基準面談
    Expected Standard Interviewing

面接官は通常、人事担当と各部署のマネジャーが選抜されることが多い。各部署の適任者は現場から見て適任者であるかもしれないが、任用するにあたり、2つの問題を抱えている。

1つは、その人が選考アセスメント力を十分に兼ね備えているのかという問題である。会社として採用すべき人材のイメージがある程度が決まっているとして、多少の誤差は仕方がないにしても、全く見当はずれの選考を行なってしまうとすればザルになってしまう。そこで、面接官としての適性をチェックする仕組みがどうしても必要である。

また、もう1つは、組織コミットメントである。誰しも経験があるかもしれないが、会社を訪問すると、「正直なところ、この会社に入社するのは、やめた方がいいよ」と言いだす面接官がいる。これでは、面接機会が無駄になってしまう。面接官は能力、適性も大事だが、自信を持って入社を勧められる人材を置かないと意味がない。意外に、この2点はできていない。

さて、今回は期待基準面接を紹介したい。これは実際に採用している企業も多いかもしれない。いずれかというと、補完的な手法である。

まず、被面接者(interviewee)に、入社すると、どのような能力特性や適性、態度などが求められるかを端的にわかりやすく説明する。その上で、そのような特性をその人が過去にどう発揮してきたか、どう形成してきたか、を尋ねる。

次に、その特性を発揮して社員が活躍している例などを話し、被面接者に、そのような特性を高水準で持続的に発揮しうるかどうかを、具体的に回答させる。また、感想などを尋ねる。

この面接のねらいは、選抜もあるが、それと同時に、会社や職務内容の期待基準を応募者に伝えておき、会社選びの参考にさせる、入社意欲を高めるという点もある。それだけに運用がやや難しい面もある。

近年では、ワーク・ライフ・バランスの重要性が叫ばれ、学生たちの価値観も変化している。単に厳しい会社、待遇が恵まれている会社というだけでは選ばれない。きつい仕事をなりふり構わず駆け抜け、青色吐息になっているのを素晴らしい働き方と考えない若者が増えている。期待基準を示し、大丈夫か、ついてこれそうか、という話す中で、過剰に過労死寸前の状態を描くことはポジティブに受け止められない可能性がある。その意味でも、何を期待基準として示したいのか、示すなら何かを面接官たちに尋ねることは一定の意味をもつだろう。

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