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◆面接の標準化はできているのか - メートルとインチ・尺が混在している例 |
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優秀な人材を採用する、あるいは、いい人がほしい、このことは人事担当の中で一致している。しかし、意外にも、企業における実際の選考「思考」プロセスは分散している場合が多いように見受けられる。
以下は、 以前、外資系生保会社をサポートしていた方からうかがった話しである。
内容は中途採用の面接スキルを高めることである。この話は今から10年以上前のことで、コンピテンシーという言葉が出てくる前のことである(90年代半ば)。
正直、ここまで採用選考に意欲を見せる企業があるのか、と感銘させられた。最初、本社の人事部で選考基準を作り、既にある面接チェック表を整理し、採用基準を整備した。その後、本社の人事担当数人、それに常務クラスまで加わって、実際の応募で実践し、統合会議を行い、お互いの評定傾向をチェックした。その後、この常務は若くして日本法人の代表になった。大学時代はラガーマンだった人だ。
次に、そこで参加した支社長が、自分のところの支社でやるかどうかを決め、個別に呼んでくれた。最初に簡単なレクチャーをして、受検者役を呼んで、終日行なった。支社にとって本当に活躍してくれる人材なら採用すべきだし、そうでない人材を採用すると、指導育成が負担になり、損失になる。支社長クラスは年俸5千万円とか1億円なので、タイムコストは高い。
どうやって採用基準を作ったかよりも、このエピソードで興味深かったことは、選考時の思考プロセスがばらついており、Aさんは一定のタイプを選好し、一定のパターンを拒否することだった。それが5人いれば見事なくらい、一致し続け、研修を終えてもなお、そのタイプやパターンにこだわることだった。ある女性の教育担当者は、こちら側の質問や他者の発言にうなずく人を常に平均以上に評価した。ある役員は、嫌味さがあると、評価する前に、問答無用、不採用にした。
このメリットは採用チームの評価の傾向や癖を把握するのに役立つ。
要するに、1枚の紙切れを作ること、それを配布するよりも、面接に当たった人がどういう点に着眼し、どうして採用・不採用にしたのかを毎回振り返らせ、人事担当がそれを把握し、次の段階に送る前に、そこで通るかどうかを予測できるくらいでないといけない。
人材アセスメントの訓練を受けていると、評価プロセスを言語化できる。なので、面接官一人ひとりと2~3日、一緒に統合すると、一人ひとりの癖がわかってくる。職種によって最適な採用選考チームを作ることが考えられる。
また、質疑にはこれまた癖があり、混成チームでいい方向を目指すべきであろう。
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