評価対象 |
主な内容 |
評価対象としての問題点 |
業績・成果 |
職務行動を通じて本人がもたらした財務上の成果や、収益やコスト低減につながる職務上の成果であり、職務活動の結果である。 |
本人が実際にやったことが実際にある業績や成果にどう影響しているかを明確化できない。そのためにチームとしての成果は手柄の奪い合いが生じやすいし、本人の行動に原因を求められない出来事の取り扱いが難しい。 |
職務行動
パフォーマンス |
組織や上長から期待し要求された役割や任務、課題について本人が取り組んだ活動全体を指し、その効果を含んでいる。 |
本来人事考課の対象とすべきもので、米国の人事評価実務では評価の対象となっている。しかし、日本ではどこまでがそれなのかという区分けがあいまいになっている。 |
職務知識 |
職務を遂行する上で必要となる職務関連の知識を指す。 |
日進月歩で変化することと職務を遂行する上で知識はむしろ前提条件で個人差を認識する要因にはなっていないことが多い。 |
スキル |
職務を遂行する上で必要となる職務関連のスキルを指す。 |
職務知識と同様で、スキルを形成していることは職務遂行の前提条件で、個人差としては認識しにくい。 |
行動特性 |
職務行動に見られるその人なりのパターンで、その人について他の実在者を際立たせている特徴、強みもあれば弱みもあるが、それらを周囲が認知した部分をいう。 |
近年コンピテンシーとして注目されているが、本人も気づいていない部分で把握が難しい。明示しても同じようなものになってしまいやすい。他者観察で測れるが、評価エラーが生じやすい。 |
資質特性 |
長年の間に確立された心理測定技術により把握される個人についての特質で、主に質問紙法によって自己認知を確認することで把握される。 |
性格など本人の人格を含むものであり、本人の努力で容易に変わらない部分を含み、人事考課の対象とはしにくい。 |
問題特性 |
資質特性や行動特性のうち、とくに業務上支障としてしばしば観察される行動傾向。本人は自覚しないことも多いが、周囲には認識されやすい。 |
誰から見ても見えやすいので、評価の対象になりやすいが、期待水準を下回る現象として認識されるため、標準かそれ以上かを決める基準にはならない。 |